あと10年しか生きないのだから

猫と暮らす
ayuco

どうせあと10年。可能な限り好きなように生きようか。

昨年父が他界したことをきっかけに、自分の寿命、生き方、人生——そんなことを考えるようになった。

父は、日本人の平均寿命よりだいぶ短い73歳で逝った。私は今48歳。父が逝った歳まで、まだ25年もある。長い。そんな先の自分を、うまく想像できない。

昔から、長生きについて疑問を持っていた。他人の3倍速くらいで生きてきた。たくさんの経験をした。今は、鏡の中の老けゆく自分にがっかりすることが多くなってきた。もともと引きこもりだったうえに、家を買い、猫を迎え入れてから、毎日が快適すぎて出不精が加速した。

一時期、「もし明日死ぬとしたら」みたいなのが流行ったときがあった。自己啓発でよく見かけるやつ。私にはしっくりこなかった。

しっくりきたのは、猫だった。彼は7歳。猫種の平均寿命で考えるとあと7年。長生きしてほしいから、あと10年。

一番大切な彼を幸せにできたら、私に後悔はない。喪失感で病むこともない。

そうだ、自分の寿命を決めよう。あと、10年にしよう。

決めたら、フィットした。10年後は58歳。体もまだ元気だろう。異常にこだわってきた外見も、なんとか保てそうだ。

寿命を決めてから、いろいろなことへの向き合い方が変わった。自分の環境を考えると、ストレスを抱えてガツガツ働く必要はない。だから、この仕事は受けない。物を買うときも、「これ今手に入れなかったら、10年後に後悔するかな?」とか。

自分にとって想像できる、現実的な期限を決めた。それだけで、仕事も、時間も、お金も、人間関係も、ずっと悩んできたことから解放されることが増えた。完璧ではない。でも、すごく楽になってきている。

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かわしまあゆこ
かわしまあゆこ
マーケター/ライター
アナログ車に乗るデジタルマーケターです。
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