10年通った美容室と決別した理由
「何かイヤかも」
そう感じたのは、今年に入ってからだ。
月1で10年間通った美容室をかえた。コロナ時期の1回以外は、毎月トリートメントとカラー、カットで通っていた。引っ越してきてから見つけた、目立った特徴のない、街の普通の美容室。通う理由は、提携駐車場があるから。車のために郊外に家を買った私には、何よりも嬉しい特典だった。
カラーはだいたい一緒、カットは気分によって、前髪を作ったり、伸ばしたり、前下がりにしたり。会話はドラマの話や芸能ゴシップ、たまに車と政治。担当が話を振ってくるとしたら、新しくいれたドライヤーやシャンプーやトリートメントなど、営業のみ。「ここはホストクラブでしょうか?」
私の最近の悩みは、癖が強くなってきたこと。どうしたら収まるか聞いたら「ちゃんと乾かしてないんじゃない?」。私の中で何かがはじけた。
担当にしか出来ないテクニックを求めているわけではない。それならば、気持ちよく過ごせる美容室に行きたい。できれば、重ねた年が魅力的に見えるようアドバイスをしてくれるところがいい。今は、ホットペッパービューティや楽天ビューティで、どの店もクーポンを配布しているから、少しくらい失敗したっていい。「いつもの」で通じる慣れにまかせて老けていくより、伝える努力をして、バージョンアップしようじゃないか。
楽天ビューティで見つけた店は、私のくせ毛を見て提案をしてくれた。人生初の縮毛矯正をした。毎日のドライヤーが楽になって、「もっと早くやっておけばよかった!」と大満足の仕上がりだ。
前の美容室では、カラーもトリートメントもカットも同じ担当が行っていた。新しい店では、カラーやトリートメントはアシスタントがする。けれどみんな感じがよく、フリーランスで人と触れ合う機会が少ない私には、普段会わない年代の子と話せて楽しい。
前の店の担当に、次の予約を保留にしたとき、少しだけ申し訳ない気持ちになった。こっちはお客さんなのに。
多くのお客さまは、店に対する不平不満は言わずに去っていく。だから店は、理由もわからず常連を失い、改善の機会もないまま営業を続けていく。立地がよくて新規を獲得できたり、広告を打てたりするなら、常連を気にしなくてもいいのだろう。でも、そうもいかない。
LTV(ライフタイムバリュー)というマーケティングで使う用語を思い出した。ひとりのお客さまが生涯を通じてお店にもたらす利益のことだ。今、長くお仕事をさせてくれるクライアントに感謝し、馴れ合わず価値を提供していこうと再確認した。
